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UAE就職事情

UAEで面白い統計が発表されたので、紹介をしたい。UAEの大学卒業生の、選考科目(学部)と就職難易度の関係である。


この統計は、2017年にUAEの大学を卒業した、13,000人を対象にした調査で、どの選考科目(学部)が就職に有利だったかを図ったものである。


本題に入る前に、欧米の大学の教育システム及び就職事情に関して少し書きたいが、ヨーロッパは、基本日本やアメリカと違ってそもそも大学の数が少ないので、大学は今でも産業、社会や経済の中核を担う人材の育成の場であり、基本大卒者はエリートとして位置づけられる。就職に関しては、大学で学んだことがそのまま将来の職種に直結しており、どこで学んだかより何を学んだかが重視される。


日本の大学システムは、稀に見る不思議な制度で、中学校から90%以上の学生が、高等学校に進み、更にその半数近くが、大学も含めた高等教育を受ける。従って、大卒である事は、特に高価値ではなく、何を学んだかより、どこで学んだかが重視される、本来の大学教育を考えると本末転倒のシステムである。


例えば、銀行で働こうと思えば、欧米では、経済学や金融学、経営学などの経済系の学部などを卒業していないと雇われない。日本では、下手な三流私大の経済学部の卒業生よりも、経済とは全く関係ない勉強をしても、一流大学を出てれば、その人物が採用されるという、首をかしげる制度である。


アメリカは、日本とヨーロッパを足した制度で、どこで何を学んだかが、重視される。ニューヨークの一流法律事務所で、勤務をしたい場合、地方州立大学のロースクールを出ても無理で、この場合東部アイビーリーグのロースクールの出身でないと難しい。


さて、話しが随分それたので、UAEの統計に戻るが、このような統計は、当該国の経済や社会事情を良く表していると思うので、非常に興味深い。


先ずは、もっとも就職に有利な選考(学部)は、産油国ならばの石油関連の技術系学部の出身者。
2位は、国際的な金融都市でもある事から、マーケティングや金融、マネージメントなどの経済系。
3位は、医学部で、興味深いのは、一般医と、外科系が最も有利。これは美容整形の需要が非常に高いドバイの特徴でもあり、病院などに勤務する一般医と、外科系が人気なの頷けれる。
4位は、IT系で、その中でもセキュリティー関係。
5位は、教育学部で、特に初等教育と特殊教育。国民の平均年齢が若いUAEでは、初等教育の需要が一番高いのも若い国ならではの特徴である。


このように、その国の大学の卒業者の就職事情を見ると、その国の特徴などが良く見えてくる。もし、将来ドバイで就職を考えているのなら、ここに挙げた学科を選考する事を勧める。

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